美容師として歩み始めて30年ほど。 ふと昔を振り返ると、今の美容業界やホームケアの常識は、当時とはまるで別世界のように感じます。
今日は、私が「ケアの大切さ」に目覚めるきっかけとなった、アシスタント時代の記憶とシャンプーの進化についてお話しします。
「手荒れ」が当たり前だったアシスタント時代
今から20〜30年前、美容師のアシスタントにとって「手荒れ」は避けては通れない登竜門のようなものでした。
当時のシャンプー剤は、今ほど「肌への優しさ」という概念が浸透していませんでした。洗浄力が強く、一日に何度も繰り返すシャンプーワークによって、私の手はまるでゾウの皮膚のように硬く、色もくすみ、シワシワの状態に。
- 手を曲げるたびに、ぱっくりと割れて血が滲む
- レジでお金を出すのが恥ずかしくてたまらない
そんな痛々しい経験を、今でも懐かしく(そして少し切なく)思い出します。特にアトピー体質のスタッフは、掻きむしった跡がさらに悪化し、見ていられないほどでした。
「強く擦ってなんぼ」という時代の終わり
30年前は、お客様も「とにかく強く洗ってほしい!」という要望が多かった時代です。 当時は「強く擦ること」こそが正しいシャンプーだと思われていましたが、今振り返れば、その習慣こそが頭皮トラブルやお悩みを作り出す原因になっていました。
その後に勤めていたサロンのオーナーが「オリジナルシャンプーを作ろう」と立ち上がりました。
「毎日使うものだからこそ、頭皮に残る残留物をなくし、安心・安全なものを提供したい」
このオーナーの意向こそが、私の中に「ヘアケアの本質」という概念が芽生えた原点でした。コスパ重視が当たり前だった時代に、成分にこだわり抜く。その経験が、今の私の「負担のないケア」という考え方に繋がっています。
情報が溢れる今だからこそ、大切にしたいこと
現代はSNSの普及により、誰でも簡単に成分やケアの情報を手に入れられるようになりました。これは大きなメリットですが、一方で「情報が多すぎて何を選べばいいか分からない」という迷いも生んでいます。
私が30年以上の美容師人生で確信しているのは、以下の2点です。
- 「必要不可欠なもの」と「なくていいもの」を見極めること
- 長年の習慣(強く擦るなど)が、今のお悩みを作っている可能性があること
最後に
もし今、あなたが髪や頭皮に悩みを感じているのなら、それは長年続けてきた「当たり前の習慣」に原因があるかもしれません。
私の経験が、どこかのタイミングで「気づき」となり、健やかな未来のための参考になれば幸いです。

